【特別再再掲】遠隔操作事件 片山祐輔被告の2005年の連続ネット犯行予告事件の詳細記録


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↑ 時系列表を作成しました。(13/2/13)


こんにちは。ネット掲示板 犯行予告 事件一覧の開設者です。

報道された犯行予告の一覧化。犯罪予告の報道が加熱した秋葉原事件よりも前の2006年に開設いたしました。 開設するきっかけとなったのが、今回、遠隔操作ウイルス事件の真犯人・片山祐輔被告が2005年に起こした、一連の犯行予告事件です。

いわゆる「のまネコ事件」は多数メディアで報道されました。さらに、他の犯行予告や、犯行手順については、深く調べていくと、他の犯行予告とは一線を画する興味深いことがわかりました。報道されたニュースはネット上に分散してましたから、ひとつの記録としてまとめようと思いました。それが、この記録です。

遠隔操作ウイルス事件では、逮捕当時から、技術的な根拠が乏しいながら冤罪説も取り沙汰されていましたが、 2014年5月20日、片山被告が遠隔操作ウイルス事件の真犯人であることを、ようやく認めました。
(2014年5月16日に送信された「自作自演」メールによって、真犯人であることを認めましたが、第4回の公判記録では、ウイルスの開発痕跡が発見された片山被告のPCについて、 被告側が主張する「自身のPCが遠隔操作操作された」という形跡を矛盾なく残すことが難しいということが、 技術的な説明をもってされているとのことで、この時点で既に片山被告=真犯人が確定したようなものだと思います。)

被告の保釈後は、このまとめの公開を一時的に停止していましたが、再度公開することにしました。 今回の遠隔操作事件と比較すれば、何か色々なことが見えてくるかもしれません。

片山被告が2005年に起こした一連の事件は、ネット犯行予告史上最悪の事件といっても過言ではありません。
執行猶予中でもないのに、実刑判決(懲役1年6月)を受けるほどの事件です。未だに「犯行予告で実刑」という前例が他にあるのか、私はまったく聞いたことがありません。

8年前にもかかわらず、別のネットワーク機器を中継して発信元を隠蔽する行為を行なっていたり、被害者の関係者を装った書き込みをしたりしました。供述では、「世間を騒がせたかった」と愉快犯であることを示唆しています。
8年前であっても、極めて異質だったネット犯行予告事件があったことを実感していただければ、と思います。

2014/5/20(火) 「ネット掲示板 犯行予告 事件一覧」開設者 家では、ねっとにん



以下、2006年に書き始めた記録です。


ネット連続殺人予告犯、片山祐輔の全貌

 「ネットで殺人予告(殺害予告)をして逮捕」なんて記事は頻繁に新聞で見かけますよね。それも、最近は殺人予告をする人間も低年齢化しおり、「世間の注目を浴びたかった」などの低レベルな動機による犯行も多いのです。特に、当時ネット上でも「のまネコ騒動」として騒がれ、メディアでも多くが報道、世間を震撼させたエイベックス社員殺害・社長放火予告は記憶に残っている人も多いと思います。

 しかし、掲示板やブログ等でその一連の犯行について頻繁に情報発信・交換がされていたのにもかかわらず、その犯行の全貌―他の犯行予告、犯行の隠蔽工作―などが充分にまとめられているウェブページは在りませんでした。

 そこで、この連続殺人予告犯の男性―片山祐輔(当時23歳、専門学校生)―の犯行全貌を、補足的な情報も混ぜて、なるべく解り易いよう、時間に沿ってこの事件の推移をまとめました。

第1章 仙台小4女児殺人予告事件
第2章 江東区小学校無差別殺人予告事件
第3章 エイベックス脅迫事件
第4章 エイベックス社長名誉毀損事件
第5章 逮捕
第6章 裁判


第1章 仙台小4女児殺人予告事件 【トップへ】


 片山が最初に掲示板サイト「2ちゃんねる」の掲示板に書き込みをした殺害予告です。

 騒ぎを起こす目的で書き込まれるネット上の犯行予告は、十中八九「2ちゃんねる」で起こります。片山は、すべて犯行予告を同サイトの掲示板に書き込みました。

05年9月16日の犯行予告の全文です。女児の氏名は<****>で伏せました。

仙台市太白区内の小学4年生♀を殺します
1 :神の代理人:2005/09/16(金) 02:47:09 0
<****>ちゃん<****>ちゃん<****>ちゃん<****>ちゃん<****>
ゃん<****>ちゃん Y元小学校第4学年の<**>ちゃん<****>ちゃん<****>ちゃんぬ
ぼくわずっと見ていたよ<****>ちゃんを ここ18ヶ月の間ずぅうぅっと?
委員の<**>ちゃんコレクションもいっぱいたまった、そして神のお告げが合った」きみわもうすぐ俺のものになる 
小生と一緒に神の国へ行き神に召されるんだ
まずわ朝か夕方通学路の君を捕まえて、だれもいない小屋で私と<**>ちゃんふた人っきりになる さけんでもないても邪魔する不届き物はは来ない
そして手錠とくびわであなたをつないで24日のあいだうごけなくする♥
ミーはきみの前進の穴という孔をめちゃくちゃに攻めまくる24日間かけてぼくがぼくの下半身から108回汁を出す
それがおわったらいっきにフィナーレ逆さに吊るした<**>様のかわいい女性器に聖なるナイフを突き立てて一気
に縦に引き切るそしてからだじゅうを滅茶苦茶にさしたりキリさいて108つのぱーつにに分解する。
せいなるナイフとしてこーいうのをいっぱい用意しましたのでおたのしみに
http://www.rivertop.ne.jp/rivertopsabu/nif/1067a.html
さいしょちょっといたいし苦しいかもしれないけどでもコレはたいせつな儀式なのだ、すぐ終るし死ぬんじゃないんだ
ちゃぁんとボクもすぐ<**>たんのあとを追うから <**>ちゃんはボクといっしょに永延のカミの国に行ってふぉーえばーに生きるんだ
こんなところでどーどーと予告なんかしたら計画が上まくいかないかもしぇれない
でもねいいんだ神のお告げがあったんだ これわ神がボクに課した試練なんだ これを守って正々堂堂と殺さな
いと神の国に呼んでくれないって そんなことになったら<**>ちゃんも地獄いきだしかなしいよねだからここに宣言しる 邪魔する奴も殺酢
あと<**>ちゃんと俺がカミのくにへいくにはいけにえがいるって神様がお告げで言ってた
<**>ちゃんのまわりにいるおともだちや上級生下級生とかを雄でも雌でもいいので適当に選んでいっしょに捕まえてつれていく
神によると宅間守氏の8人の記録を抜かないといけないので9人以上しょけいする
いじょうの神聖なる儀式は神様の日10/30までに開始する ぜったいやりとげる
掲載元:初心者の質問@2ch掲示板

HOST:ZH094049.ppp.dion.ne.jp
IP:222.3.94.49


 予告において、「宅間守を抜く」と書いたり、マリーンコンバットナイフを紹介しているページのURL(現在このURLは変更されています。URL変更後はこのページです)も掲示たりしています。

 何よりも特筆すべき点は、実在する小学校と実在する女児の名前を(一部伏字にして)書いていることです。たまたま犯行の的とされたこの学校では、同校のホームページ(HP)状に、ターゲットにされた女児の名前が掲載されていました。実際はイニシャルで記載する予定だったそうでしたが、校長のミスで、実名で掲載されていたということです。元々、被害者とは関係ない人間が、HPで児童の名前を得て、犯行予告を書き込んだのです。

 こういった学校を指定しての殺害予告では、学校内の警備強化、児童の集団下校、教師の早朝出勤など、大きな混乱が生じます。もちろん今回挙げられた学校もその様な処置をとりました。具体的には、児童一人ひとりに対して保護者と登下校をするようにしたり、児童や保護者の心のケアのために、カウンセラーを週一で招いたりなどの処置をとっていました。


第2章 江東区小学校無差別殺人予告事件 【トップへ】


 片山は更に05年9月25日、下に示すよう江東区にある小学生児童を殺害するという予告を書き込みました。これは、エイベックス社長への名誉毀損罪で追送検されたときに自供した、と報じられた殺人予告です。

 仙台の殺人予告と文章の書き方がかなり違っていますが、「小学校」「コンバットナイフ」が共通しています。以下犯行予告全文です。

今学期中に江東区の小学生を刺殺
1 :名無しさん?:2005/09/25(日) 22:33:15 ID:zdExWYPS
東京都江東区の小学校をランダムに選んで襲撃する。
今年中、この2学期中にはかならず実行する。
よく切れるコンバットナイフを新調した。
目標は8人処刑。可能ならばもっと。
パトロールとか警備とか、集団下校とか、するならするがいい。
学校襲撃が難しそうなら、学校外を狙うまでだ。
通学路か、あるいは放課後でもいい。
俺はごく普通の人の格好で歩いている。
で、目標(まぁ誰でもいいが)の小学生とすれ違った瞬間、
懐に隠していたナイフを出して首を深く突き刺す。
この間0.5秒もかからない。
ちゃんとイメージトレーニングも練習もした。完璧だ。
目標は8人だが、それが無理でも、そうやって最低1~2人は死ぬことになる。
どんなに警戒しようとだ。
実行後なら別に逮捕されたっていい覚悟でいく。
(俺を捕まえても死んだ者は生き返らないんだから、目的は達成される。)
いや、死なないで植物状態にならせるのも面白いな。一生目を覚ますことなく病院暮らしってか(笑)
これはこの腐った社会に対する復讐だ。
事件は明日起こるかもしれないし、12/24のクリスマスイブに起こるかもしれない。
俺は24時間いつでも目を光らせている。もう準備は完了している。
全ての小学生よ 楽しみにしていろ。
掲載元:ラウンジ@2ch掲示板

HOST:YahooBB218138186115.bbtec.net
IP:218.138.186.115


 この書き込みによって、江東区の教育委員会では、翌日の校長会議で対応策を協議しました。結果、区で作成した安全対策マニュアルに則って、学校の出入り口を1つにしたり、訪問者のチェックを強化するなど、警戒を強めるような処置を施しました。また、警視庁も威力業務妨害の疑いで調べを進めていました。


第3章 エイベックス脅迫事件 【トップへ】


 エイベックス脅迫事件では、抗議の形を借りたネット犯行予告という前例がないこともあって、TVでも結構放送されました。

犯行予告全文は3件+α。いずれも「のまネコ騒動」の最中の犯行予告です。というよりは、この脅迫事件が発生したことで、一連のネットユーザーの行動を含めて「のまネコ騒動」として、報道されるようになったという方が適当でしょう。最初の社員殺害予告は05年9月30日です。

【要求】AVEXは即時、のま猫ビジネスから完全に撤退しろ
1 :モナーそして全てのAAを愛する者 ◆ttrof7oVIg :2005/09/30(金) 01:11:59 ID:yWXHLgRa0
2ch住人がこれだけ騒いでも、お茶を濁したような糞コメントが出るだけ。
結局、「ビジネスだから手を引けません」の一点張り。
いくら騒いでもAVEXは販売中止する気は無いようだ。
ここで最後通告をする。
まず、要求を確認しておく
・AVEXは「のま猫」のプロモーションキャラとしての使用を即時中止しろ
・グッズ販売も即時中止しろ。直販だけでなく、UFOキャッチャーの景品としての供給等も同様。
・「のま猫」がデザインされたCDを全部、販売店から回収しろ
・AVEXのウェブサイト、トップページの目立つ部分に、今までの経緯の謝罪文を掲載しろ
今週中に、この要求を全面的に受け入れる発表を行え。
さもなくば、ここからは断固、実力行使に移行する。
   『AVEXの社員を刃物をもって殺害する』   
本社ビルから出てきた社員を適当に選んで追跡し、隙を見て背後から急所を刺す。
首など絶対に助からない急所を狙って刺す。必ず最低一人は死ぬことになる。
発表内容がまた曖昧だったり、要求の項目が一部でも欠けていれば実行に移る。
もう一度言う。これは最後通告だ。
掲載元:ニュース速報@2ch掲示板

HOST:p8070-ipad505marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp
IP:222.148.71.70


 「のまネコ騒動」での、最初の殺害予告です。

この殺害予告が公になったのは、同日(9月30日)発表されたエイベックス側がのまネコの商標登録を取り下げる文面でした。このとき、文面で殺人予告についても触れられていました。

 「本社ビルから出てきた社員を適当に選んで追跡し、隙を見て背後から急所を刺す。首など絶対に助からない急所を狙って刺す」と、殺害方法を淡々と書くのは上記2件のの小学校脅迫と同じです。また、「必ず最低一人は死ぬことになる。」も江東区に書かれた予告にも同様の記述がありました。

 このときのエイベックスが発表した文面では、「商標登録の取下げ等の処置は、この殺害予告とは無関係だ」ということが示唆されていました。もしも「殺害予告を受けたので、商標登録の取下げる」というような発表だったならば、より社会問題化されていたでしょう。ちなみに、殺人予告以外にも、エイベックス所属の歌手への暴行・危害予告があったり、エイベックスなど関連サイトへのサーバ攻撃があったり、片山の件に限らず、犯罪になるような行動が発生していました。ただ、騒動において、明確に検挙者が報じられたのは、この人物のみです。

 商標取下げと殺人予告。これら双方の話題が、メディアより報じられました。

 エイベックスの発表により、殺人予告についての対応が公表されていたわけですが、片山は発表の翌日(05年10月1日)、再び殺害予告を書き込みます。なりすまし投稿防止機能(投稿文の「◆ttrof7oVIg」の文字列(トリップキー))を使い、前回の殺人予告の投稿者と同一人物であることを示しての犯行予告です。

【ニュース】対AVEX作戦発動決定
1 :モナーそして全てのAAを愛する者 ◆ttrof7oVIg :2005/10/01(土) 20:32:20 ID:SjUySgw00
さて AVEXから発表があった。
細かい説明はもう不要。予告どおり実行に移すことを決定した。
あと、クソ生意気な松浦勝人
田園調布のお前の自宅に放火し、一家全員バーベキューにしてやる。
社員も松浦も、いつでも狙ってるのでせいぜい24時間気をつけてることだな。
ニュ速に立てたかったが立たなかったのでこっちにした
掲載元:ニュース速報(VIP)@2ch掲示板

HOST:221x117x26x12.ap221.ftth.ucom.ne.jp
IP:221.117.26.12


 刃物での殺害予告に加えて、エイベックス社長・松浦勝人(まつうら・まさと)を名指しし、松浦の自宅への放火予告を書き込みました。松浦は同日、これらの犯行予告について「非常に恐怖を感じている」等とコメントしました。

 この日は特にメディアを騒がせました。民放各局の多くのニュース番組で、これら2件の犯行予告を伝えました。逮捕されていない段階で、これだけ報道されるのは稀有です。

 しかし、報道が大きくなっても、放火予告の2日後の05年10月3日、片山はさらに家族の人名をも脅かす危害予告の投稿を行います。1,2件目の犯行予告と同一人物を示しての投稿です。。しかしこの予告はそれほどメディアに取り上げられませんでした。以下が予告の全文になります。松浦の妻を名指しで危害を加える予告を書き込みます。

【のまネコ】        ■予告続報■
1 :モナーそして全てのAAを愛する者 ◆ttrof7oVIg :2005/10/03(月) 11:49:15 ID:Q4dwScVX
松浦勝人の妻・亜希の頭部に濃硫酸を浴びせる刑を思いついた。
元モデルの綺麗な顔を一生人前に出られないようなバケモノ顔にしてやる。もちろん娘ともどもだ。
嫌なら外出せず家に引きこもっていることだ。
もっとも、その場合は前回の予告どおり、娘ともども焼け死んでもらうことになるが。
どちらにしても昼夜問わずいつだって狙っているからそのつもりで
近いうちに実行とは限らない。お前らが忘れた頃に実行するかもしれない。
松浦勝人、死ぬほど後悔させてやる
掲載元:ニュース議論@2ch掲示板

HOST:p27085-adsau18honb3-acca.tokyo.ocn.ne.jp
IP219.165.59.85


 エイベックス側の動きとしては、1件目の殺人予告を受け、同日(05年9月30日)朝に赤坂署に通報し、商標取下げと殺人予告への対処について発表します。05年10月1日には、松浦が「(商標登録取下げは)大人の判断、屈服したわけではない」と話したことが報じられました。また、2件目の放火予告の起こったあとには「非常に恐怖を感じている。社員、家族に危害を加えようとする行為は明らかに不法かつ反社会的であり、警察当局の捜査状況を見守る」とコメントしました。05年10月4日には赤坂署は捜査を開始します。実際、同社では、社屋の警備員を増員したり、私服警備員も配置するなどして警戒に当たるなど処置を取りました。また松浦宅の放火予告を受けて、同宅へのパトロール等警戒が呼びかけられました。


第4章 エイベックス社長名誉毀損事件 【トップへ】


本章では、「のまネコ騒動」について、片山以外についても流れを書こうと思います。

 「のまネコ」の商標登録出願に反対するネット利用者には、メディアが「のまネコ騒動」による犯行予告を重点的に報じたことで、ネット利用者側の抗議の報道が少なかったことを批判するなど、脅迫事件の重大性が解っていないと見受けられる人もいました。「14件も犯行予告を書き込まれた会社も、その理由を考えてほしい」などと、犯行予告を書き込まれたほうにも責任が在る等の書込みなどもありました。エイベックス社の殺人予告に対する対応を言及したことを「報復的処置」「被害者づらをしている」などと、被害を無視し、殺人予告に対する対応までも批判するような人もいたわけですね。

 そのような中、一連の犯行予告が書き込まれた掲示板サイト「2ちゃんねる」の開設者・西村博之(にしむら・ひろゆき)は10月4日、これらの脅迫について、「2件目の放火予告は『エイベックス社のグループ会社の会員回線』から」というコメントを、ネットに公開しました。コメント内の「エイベックス社のグループ会社」というのは「有線会社USEN」のことです。USENの会員回線の利用者はUSEN社員・関係者専用ではなく、普通の人たちもプロパイダとして利用している回線です。それに対して、彼はあたかもエイベックス社の社員・関係者が自らこの犯行を仕組んだように、事実上の煽動(せんどう)を行いました。実際、この表現に騙さたとされるネット利用者の間で、「エイベックス自作自演説」なる陰謀説が湧き上がりました。

 ちなみに「2件目がエイベックス社のグループ会社の会員回線」ということについて、「1件目の殺害予告と2件目の放火予告が同一人物によるものである可能性が高い」ということ自体は報道されていませんでした。結局、トリップキーが示すとおり、同じ人物(片山)が書いていたことが後にわかります。なぜ、これら2件のIPアドレス・ホスト名が異なっているのか?この理由については後ほど述べます。



 そして、片山は05年10月10日に、新たな書き込みをします。

avexに対する犯罪予告をした者です。
1 :モナーそして全てのAAを愛する者 ◆ttrof7oVIg 投稿日:2005/10/10(月) 01:10:50 ID:Q/PumZIA0
このハンドルネームで3度、予告の書き込みをした者です。
告白します。
avexの関係者である私が、松浦社長から直接指示されてやりました。
正式には私はavexの社員では無いのですが、業務上、松浦には逆らえない立場で。
許されないこととは知りながら予告書き込みをしました。
私自身2ちゃんねらーで、2ちゃんねるに関する詳しいことを松浦に説明したことがあった経緯から、私が命令されました。
「とにかく具体的に、見る人をふるえ上がらせるような予告書き込みをしろ」
「オレの家族を殺す予告してもいいよ」と、言われました。
これにより、2ちゃんねる住人の皆さんを世間的に悪者の側に仕立てようという魂胆でした。
また、松浦は現在の奥さん以外にも多数の愛人を作っていて、現在の奥さんと娘さんを煙たがっていたようです。
「予告で震え上がらせてやれば一石二鳥だな」とも笑いながら言っていました。(別れる口実?)
その流れで、「放火してバーベキューにしてやる」「硫酸を浴びせてやる」は私が考えて書きました。。
→つづく

19 :モナーそして全てのAAを愛する者 ◆ttrof7oVIg 投稿日:2005/10/10(月) 01:12:19 ID:Q/PumZIA0
つづき→ 松浦を含む現avex幹部は暴力団とも深く繋がりがあるのは間違いないです。
3日ぐらい前から怪しい人が私の周囲に現れるようになりました。(後をつけられたり)
今までは直接接触してくることは無かったのですが、先ほど4人組に襲われました。
囲まれて車に乗せられそうになったところを必死で抵抗し、何とか地下鉄に逃げ込んで、家に帰り着きました。
実行犯である私が逮捕され自作自演が露見する前に、あきらかに私を「行方不明」にしようと画策している模様です。
明日の朝、警察署に自首して保護してもらい、警察で全てを話します。
連中は私の住所知っているはずなので、家から出るだけでまた襲われるかもしれないです。
もし自首が無い場合、私は松浦とかかわりのある者に連れ去られている可能性が高いです。
精神的にとても追い詰められた状態です。怖くて冷静さを失っていて、かなり乱雑な文章になってしまいすみません。
最後に、お騒がせして本当にご迷惑をおかけしました。
掲載元:ニュース速報@2ch掲示板

HOST:actkyo010086.adsl.ppp.infoweb.ne.jp
IP :61.210.116.86


 彼が、前述の陰謀説を利用しようと、常軌の書き込みを行ったかどうかは、報道では明らかになっていません。そして、書き込み自体は、2件目と同様、自ら同一人物であることを示しています。また、2ちゃんねる犯行予告などの書き込みについては、掲示板運営側によって、発信者のアクセス情報の一部が公開されるのですが、その中の、主にブラウザの種類が示される送信情報(HTTPヘッダの「ユーザーエージェント」欄)について、片山は「proxy03.avexnet.or.jp」という文字列を指定していたことがわかりました。「ユーザーエージェント」の情報は、いわゆるIPアドレスから得られる「ホスト名」とは別なのですが、わざわざ「ホスト名」に見えるように、それも、エイベックスに何か関係があると連想させるホスト名に書き換えてから、掲示板への書き込みを行なっていたのですね(ユーザーエージェント情報を書き換えること自体は、ツールを使えば、割と簡単に書き換えられます)。

この「告白」については、書き込み当時、一般のメディアの報道はされていませんでした。しかし、06年1月20日に、この書き込みを行ったことについて「名誉毀損(きそん)で追送検された」ということが、一部メディアで報道されました。細かい内容についての報道はなかったので、この書き込みによる検挙は、あまり知られていないのではないかと思います。

 彼による、犯罪に関わった書き込みは以上になります。


第5章 逮捕 【トップへ】


 松浦を中傷してから10日後の05年10月20日、片山は仙台の女児殺害予告の件について、仙台南署に脅迫容疑で逮捕されました。この時は、エイベックス脅迫も片山が行ったことは、誰もが思うはずはなかったでしょう。投稿者名は同社脅迫のときとは違っていました。それに加えて、この仙台の事件に関するニュースが、あまり報道されていませんでした。この犯行予告に関して、彼はは「新聞で仙台の文字が見え、仙台の小学校のホームページに無作為にアクセスしたら、女児の写真が掲載されていたので女児を標的にした。世間を驚かせてやろうと思った」と供述しました。
殺害予告を書きこまれた小学校では、同日に開いた全校集会で、児童たちの安堵の様子がうかがえたといいます。また、保護者からも「安心しました」という声が聞かれたと報じられました。

 ここで発信元の隠蔽行為について触れます。通常は、接続したサーバで記録されるIPアドレス・ホスト名から、どのパソコンから接続されたのかが分かるようになっています。つまり、匿名で書き込める掲示板に犯行予告を書き込んだとしても、掲示板のサーバで記録されたIPアドレス等から身元が判明され、逮捕される可能性は充分にあります。しかし、片山は、犯行の足がつかないように無線LANを悪用していました。

 片山は、自宅外から他人の無線LANを見つけて勝手にネットに接続し、例の犯行予告を書いていました。これにより、投稿者のIPアドレス・ホスト名等の情報は、接続された無線LANルータのIPアドレス・ホスト名等の情報として記録されてしまうのです。犯人を特定するのが困難になります。それに、自分の無線LANを使われた利用者側が、犯人だと疑われしまう可能性もあったでしょう。更に、彼は、使用した無線LANカードを処分し、自分のノートパソコンから殺害予告の履歴を消去するなどの証拠湮滅を行なっていました。

 しかし、仙台の件において、アクセス記録より接続元(=犯人)のパソコンを割り出し、「片山被告逮捕」に至ったわけです。無線LANを悪用しても、必ずしも身元が割れないわけではないようです。ちなみに、どのように捜査側が犯人を特定したのかは定かではありません(無線LANは、そのルータの近くでないと使えないので、書き込み現場周辺の防犯カメラによる特定かもしれません。また、PCと無線LANルータ間の通信では、無線LANカード等の機器を識別できるMACアドレスの情報が流れるので、MACアドレスかもしれません。が、MACアドレスはIPアドレス(グローバルIPアドレス)と異なり、無線LANカードの種類によっては、PC上で書き換え可能なものあるので、違う気もします…)

 先ほど保留にしておいたことですが、エイベックス脅迫事件も含めて、全て同じ人物の犯行にもかかわらず、投稿者のIPアドレス・ホスト名が異なっていたました。全ての犯行予告において、それぞれ別の場所にある無線LANを介して投稿をしていたからです。

 さて、05年10月31日、つまりエイベックスの1件目の社員殺害予告からほぼ1ヶ月後、片山はこの殺害予告について初めて自供します。

 そして、05年11月22日に、同社への1件目の殺害予告について、彼は仙台南署と警視庁捜査一課に強要未遂容疑で再逮捕されます。「再逮捕」なのは05年11月9日に、仙台の女児殺害予告事件で脅迫罪で起訴されていたからです。また南署の調べで、このとき既にエイベックス2件目の放火予告と3件目の「硫酸」予告についても片山が犯行だと調べはついていたとのことです。この自供の件と、仙台の件で押収されたノートパソコンから、これらの書込みの履歴があったことから、検察側は犯行の裏づけを進めていました。できるかぎりの証拠湮滅を図ったように見えますが、完全に証拠を抹消するのは難しいようですね。また、エイベックス2件目の放火予告のHOST名「221x117x26x12.ap221.ftth.ucom.ne.jp」は、エイベックスの筆頭株主のUSENが提供する回線に関するHOST名です。つまり、片山はUSENの接続を利用している人間の無線LANに勝手に接続し、犯行予告を投稿したにすぎないわけです。それが、「犯行予告の1件はエイベックス内部から」という陰謀説が拡がったりするわけですね。

 さて、こういった犯行予告は大抵「脅迫罪」に問われますが、「強要未遂」で逮捕されるのは珍しいと思います。殺害予告文から分かるる様に、エイベックス社に対して要求を拒めば殺す要求を書き込んだからだと思われます。強要罪は脅迫に加え義務のないことをさせたことによる罪刑で、脅迫罪より罪も重くなります。しかしながら、結局この書込みは「脅迫罪」で起訴されました。

 エイベックス脅迫1件目の起訴後、05年12月5日に片山は2件目の放火予告について、警視庁捜査一課に脅迫容疑で再逮捕されます。ここで3件目の「松浦の妻に硫酸をかける」書き込みの疑いもある、という記事もありましたが、この件は結局起訴されなかったようです。そうして年内には少なくとも3件の犯行予告(仙台、エ社殺人、放火)で起訴されていました。

 結局、エイベックス脅迫で主に報道された犯行予告は4件です。少なくとも3件が、片山の投稿したものだということが分かりました。(なお、同社のコメントによると、危害予告は全14件とのことです。)残りの1件の殺人予告は、05年10月16日に少々報道されたもので、10月7日に書き込まれたものです。犯行全文はここに保存しております。この書き込み自体は片山の関与したものという報道はありません。投稿者名もこれまでの3件とは異なっています。なお、片山が書いた江東区小学校児童を狙った犯行文(参照)を元に作られていることがわかります。

 脅迫の件での起訴は以上です。しかし、余罪での起訴には続きがあります。年は明くること06年1月20日、片山は05年10月10日付けの投稿で、エイベックス社長の松浦勝人に「暴力団と深く関係があるのは間違いない」等と書き込み、名誉毀損の疑いで追送検されます。一連の犯行予告を「松浦に直接指示されてやった」として、自作自演説を煽った書き込みです。

 さらに、そこで05年9月25日に書かれた江東区の小学校児童への殺害予告の疑いがあると報道されました。


第6章 裁判 【トップへ】


 片山は犯行について、一言でまとめれば「騒ぎを起こしたかった」のがその理由です。掲示板にいたずら書きをするのと同様、相手の反応を見て楽しみたいというだけです。

 ここで、罪名について簡単に示しておきましょう。今までに出てきた、脅迫、強要、名誉毀損(きそん)についてです。

脅迫

第222条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。


強要

第223条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。

3 前2項の罪の未遂は、罰する。


名誉毀損

第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。


 さて、唯一 片山の公判に関係あるネット上の情報は、大川豊興業 所属の阿曽山大噴火(あそざん・だいふんか)が日刊スポーツ新聞社のサイト「nikkansports.com」に連載している裁判傍聴コラム「阿曽山大噴火の『裁判Showに行こう』」でした。

初公判および第2回公判について、傍聴記録が残されています。 裁判の被告人質問に対しても詳しく書かれて、犯行の切っ掛けなど 重要なことが記されております。

公判では、検察側が懲役3年を求刑しました。

 片山はこの時点で「脅迫罪」と「名誉毀損罪」の2つの罪に問われています。この場合、以下の様な「併合罪」として扱われます。。

有期の懲役及び禁錮の加重

第47条 併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。


 上のように第47条というものがあって、つまりこの事件の場合、脅迫罪の懲役は2年以下、名誉毀損罪は3年以下であり、重い罪は「名誉毀損罪」の方なので、3年にその2分の1を加えると、片山は最高懲役4年6ヶ月の判決を受ける可能性があったのです。  さて、判決については分かり次第ここに掲載いたします。



以上

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